本当に怖い闇金融ウシジマくんの世界

映画化されたので知っている人も多いと思いますが、「闇金融ウシジマくん」は現代版リアルホラーとして秀逸な作品です。
幽霊が出るわけでもなく、オカルトでもありませんが、人間が本来持っているおぞましさが漫画という形を借りて十二分に表現されているため、読み終わった後どんよりとした気持ちに陥る事請け合いです。
話は闇金融を営む丑嶋馨率いるカウカウファイナンスの面々と、そこにお金を借りに来るダメ人間たちとの出来事で成り立っています。
登場人物は基本ダメ人間か悪党で、皆、自らの欲や弱さや依存性などで地獄に落ちていくというパターン。
例えば、パチンコ代捻出のために法外な利息をとるウシジマくんにお金を借りにきたり、風俗嬢に入れ込んだ挙句親の年金を使いこんだり、粋がってバイクを盗んだら相手に殺されそうになったりと救いようのない登場人物ばかりです。
しかし彼らの背景には長引く不況や貧困の連鎖、機能不全家族などといった重大な日本社会の問題も見え隠れしており、当人だけの責任とは言い切れない部分もあるため、自分だっていつ同じように転落していくかわからないと身につまされて背筋が寒くなります。
所詮漫画で作り話ではありますが、実話をベースに話が作られているそうなので、そのどんどん不幸になっていく様があたかもノンフィクション小説のような迫力があります。
単純にリアルホラーとして楽しむのもいいのですが、人間はこんな風に転落していくのかと自らを振り返り気を引き締める反面教師としても役に立つ一冊です。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ

ツールバーへスキップ